Notice Board

September 26, 2004

聖公会もイスラエル・ボイコットに動く

23日に麻布の聖アンデレ教会で行なわれた聖公会エルサレム管区のリア・アブ・エル=アサール主教ら8人の教会関係者との交流会は、聖地におけるアラブ・キリスト教徒の歴史や現在の位置についての認識が深まり、また聖職者のラディカルな一面を再認識させられたとても貴重な体験でした。ナザレ出身のリア主教の自伝「アラブ人でもなくイスラエル人でもなく」は、イスラエル・アラブの立場を知るためにも興味ぶかい本です。

さて、その聖公会(もとはアングリカン=英国教会ですが、新大陸に移ったものはエピスコパリアン=米国聖公会として英国教会とは一線を画しているようです)の中に、イスラエルに対するボイコット運動を推進する動きが出てきたようです。教会内部の有力グループが推進しているということですが、これが総会で承認されれば、7月にボイコットを決定した米プレスビテリアン教会(信徒300万人)に加えて、イギリスとアメリカに信徒7500万人を有する聖公会がイスラエルへの制裁措置に動くことになります。

キリスト教会からこのような動きがでてくる背景には、アメリカ南部の原理主義キリスト教右派がシオニズムを支持し、現政権の中東政策の大きなファクターとなっていることに対する警戒もあるようです。キリスト教会も一枚岩ではないということで、今後の展開が注目されます。

イスラエルの現行制度にアパルトヘイト時代の南アフリカとの類似性を認め、かつての反アパルトヘイト運動と同じような国際ボイコットを呼びかける声は次第に具体性を帯びてきているようです。各国政府レベルではアメリカへの遠慮からそのような措置をとることはまず無理でしょうが、教会や大学や組合運動など非政府組織のあいだで組織的なボイコット運動が広がる可能性はあるようです。大学ではイラン・パペがハイファ大学から追放されかけた事件に見られたような学問の自由への弾圧に反発してボイコットの呼びかけが挙がっているようです。

Anglican group calls for Israel sanctions (ガーディアンの記事)

September 25, 2004

サイードの刻印




サイードが亡くなって、もう一年が経ちました。今ごろはパリ大学で一周年の行事をやっているはず。

本人の語りはもう聞くことができませんが、さまざまな人たちの行動や発言や作品のなかにサイードの言葉のエッセンスが底辺に流れているのを察知できる機会が少なくないということに、亡くなった後になって気がつきました。それは単なる一連の語彙や思考のスタイルという表層的なものではなく、ものの見方が決定的に変ってしまったというような根源的な影響です。さまざまな分野でその刻印を感じさせるものに出会うたびに、そこに故人の存在を感じるので、ほんとうに死んでしまったようには感じられません。死者がほんとうに死ぬのは、それを記憶する人たちもいなくなり、完全に忘れ去られたときであるとすれば、サイードがほんとうに死ぬことはないのかも。

昨年、サイードが亡くなった直後に書かれたナイジェル・パリーの追悼文を、山田和子さんが訳してくださいました。一年を経て今これを読むと、当初は喪失感に圧倒されて見えにくかった建設的な希望のサインがずっとはっきり読み取れる気がします。

自分たちの言葉で語る──エドワード・サイードとパレスチナとインターネット

バグダッドのアル ムルワッス(Al-Murwass)劇団が初来日

タイニイアリスの西村博子さんから、イランの劇団の公演のお知らせと支援の願いがきています


***********************************************
―― 見てください 支援してください ――<転送歓迎>

いよいよこの10月、小劇場タイニイアリスの招聘により、バグダッドの「アル-ムルワッス劇団」が、下記日程のように、日本にやってくることになりました。 モハメッド・シャカール構成・演出“Message Carried by ship from Iraq (イラクから、船乗りたちのメッセージ)”です。→ ここ

独裁政治の下バグダッドでは、長い間「活動を禁じられていた劇作家」、演劇人たちガ、フセインの像が倒されたすぐその翌日、劇場を略奪から守るために「銃をと」って立ち上がり、ただちに「イラク人による自前の文化の創造」めざして「新しい演劇を作る動き」を開始した(鶴原徹也特派員「政治の道具 もうこりごり」 読売新聞2003.9.4)と報じられました。
こんどイラクから初来日する「アル-ムルワッス劇団」の一行20人もそういう新しい「動き」の一つ。最も早い先駆けです。
「新しい方法と美しい絵」を標榜して戦後すぐに立ち上がったこの「アル-ムルワッス劇団」 ――正確にいうと Al-Murwass Group Folklore and Modern Arts――の「イラクから、船乗りたちのメッセージ」は、バスラ地方の伝統的な民族楽器を使い、歌や踊りもふんだんに採り入れながら、バグダッドの今!を日本の観客に伝えよう(メッセージしよう)というものです。ちょうど、かつて「船乗りシンドバッド」の老シンドバッドが、自分の体験した七つの冒険を、同じ名の若者シンドバッドに語り伝えたように――。

日本のTVに連日のように爆破事件が報道される合間あいまを縫うようにしてモハメッド・シャカールさんからのメールは、「稽古してます」「稽古をまたはじめました」「誇りを持って日本のみなさんに見てもらえるよう、必ず良い舞台を作ります」……その様子を伝えて来てくれました。が、突然、そのメールは「グループの一人が爆破事故に遭いました」「バグダッドから逃げ出した劇団員もいます」「バグダッドはいま地獄です」(6.4)と変わりました。「ぼくはもうヘトヘトです」とも。
そしてとうとう、「彼女が亡くなりました」(6.17)というメールがきました。けれどもその終わりには再び、こうあったのです。「僕たちはまた稽古をはじめました」と――。
実際に彼らの舞台を見、実際に彼らの言葉を聞けば、私たちの知らないバグダッドがもっともっと鮮明になるに違いありません。ぜひ彼らの舞台を見てください。未来に向かって彼らの創造活動を支援してください。
みなさまの暖かいご支援を心よりお願い申し上げます。


お 願 い
① 来日公演を満席にて成功させるために、ぜひチケットを買ってください。(前売り3,000円、当日3,500円、学生割引2,000円)
※ 最小限に切り詰めた諸経費のほかは、すべてアル-ムルワッス劇団およびイラク演劇界にお渡しします。
② 友人、知人の方へ。 お一人がまたお一人へと、どうぞこの来日公演とイラク演劇支援の呼びかけをお伝えください。
③ 別に、郵便口座を開きご寄付も募ります。1口1,000円より。どうぞご協力、ご宣伝をお願いいたします。
口座番号00180‐6‐371247 口座名称イラク演劇を支援する会
※ すべてアル-ムルワッス劇団およびイラク演劇界にお渡しいたします。(振込み料金:1 万円まで70円)

来日公演・日程
・10月6日(水) シンポジウム「イラクの今! バグダッドの街、バグダッドの演劇」:ジャパン・ファンデーション・フォーラム
(日本演出者協会・国際交流基金共催) <東京 港区赤坂2丁目> <問合せ:タイニイアリス>
10月7日(木)~9日(土) (3回公演):ジャパン・ファンデーション・フォーラム(国際交流基金共催) 〈同上〉
10月12日(火)~14日(木) (3回・交流公演):タイニイアリス <東京新宿2丁目仲通り>
・10月18日(月) シンポジウム「同タイトル」:名古屋女性会館(日本演出者協会共催)
10月19日(火)~20日(水) (3回公演):名古屋千種文化劇場(通称 ちくさ座) (NPO法人円形劇場ちくさ座の会共催)
<名古屋千種区千種3丁目 〉  <問合せ;052-733-0444>
・10月21日(木) シンポジウム「同タイトル」:アリス零番舘-IST
(日本演出者協会共催)
10月22日(金)~24日(日) (5回公演):アリス零番館- I ST
<大阪市中央区南船場 1丁目>  <問合せ:06-6261-2876>

イラク演劇を支援する会
事務局・問合せ:Tiny Alice NOP ARC
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-6-B1
Tel&Fax 03-3354-7307
tinyalice@tokyo.email.ne.jp

イラク演劇を支援する会
青柳敦子
明樹由佳
朝倉 摂
永井 愛
天野鎮雄
くまがいまき
坂手洋二
篠原久美子
篠本賢一
福島明夫
日色ともゑ
ふじたあさや
山田 昌
流山児祥
渡辺えり子
和田喜夫
鳳 いく太
丹羽文夫
西村博子
(2004.8.15現在。あいうえお順 敬称略)

September 18, 2004

スタイルの統一という名の解釈の押しつけ

エディターという仕事に内在する権力と驕り、罪深さを露呈させる記事。
カナダ最大の新聞チェーンCanWest Clobalが、ロイターなどの通信社から配信される中東関係の記事に、勝手に「テロリスト」という言葉を挿入して意味を改ざんしているとして非難されています。例えば、
"...the al-Aqsa Martyrs Brigades, which has been involved in a four-year-old revolt against Israeli occupation in Gaza and the West Bank." (ガザと西岸でのイスラエルの占領に対する4年前からの反乱にかかわってきたアルアクサ殉教者団は・・・)

これが、次のように変えられます
"...the al-Aqsa Martyrs Brigades, a terrorist group that has been involved in a four-year-old campaign of violence against Israel." (4年前から始まった反イスラエル武力闘争にかかわってきたテロリスト集団アルアクサ殉教者団は・・・)

CanWest の系列紙 Ottawa Citizenのエディターは、AP配信のファルージャに関する記事で占領への反乱に対して7回も「テロリスト」という言葉をつけ加えたことは不適当であったと認めましたが、一定の集団(おもにアラブ系の)については「テロリスト」と表記するのが当社の編集方針なのだと説明したそうです。言い換えたことをいちいち読者に断る必要はないというのが彼の判断。「スタイルを整えるために編集しているのです。世の中で起こっていることを明確で一貫性のあることばで説明するために編集しているのです。そこに間違いが生じれば、かならず訂正しています」

うーん、おそろしい。

原文はここ→
CBC News - CBC News: Newspapers accused of misusing word 'terrorist'

September 17, 2004

シモーナ・トレッタをさらったのは誰?

パレスチナに行くつもりなので、誘拐事件は気になるので・・・・

バグダードで誘拐された二人のイタリア人は、湾岸戦争後もイラクに残って支援活動をつづけた数少ない人道支援団体「イラクへの橋」のメンバーですが、彼女たちが二人の現地人メンバーと共に彼らのオフィスから拉致されたときの状況は、他の人質事件とは多くの点できわめて異なっています。いろいろな材料を挙げて、事件の背後にいるのはイスラム系の抵抗組織ではなく元CIAのアラウィ首相の暫定政権と外国の諜報機関ではないかという説を、ナオミ・クラインとジェレミー・スケイヘルが伝えています。彼女たちが誘拐される前日に会ったというクバイシ師は、高遠さんたち日本人の人質事件のときに窓口となって解放に大きく貢献してくれた人ですが、その彼が今回の事件の背後にいるのは「外国のスパイ」と述べているのには信憑性を感じます。日本人人質解放の顛末を振り返れば、今後の事件の展開がどのように「説明」され、利用されるのかも気になります。

原文はここ→ ZNet | Iraq | Who Seized Simona Torretta?

概要

シモーナ・トレッタは1996年にイラクの経済封鎖に反対するNGO「イラクへの橋」と出会って以来、イラクでの人道支援活動を続けてきた。レジスタンスによる外国人誘拐が頻発し、ほとんどの外国人記者や労働者が退去した後もバグダードで支援活動を続けていた。9月8日、トレッタは同僚のイタリア人シモーナ・パリ、イラク人Raad Ali Abdul AzzizとMahnouz Bassamと共に彼らの住居兼事務所から拉致された。犯人からの声明はない。戦争支持者たちはこれを平和活動家の無邪気さをなじる材料にしているが、イスラム指導者たちの間からは、この事件はムジャヒディーンによるものではなく、抵抗運動の信用を損なおうとする外国の諜報機関による陰謀だという声が次第に強まっている。

拉致の手口は従来のパターンとまったく異なっている。ふつうは路上で襲われるものだが、彼女たちは自分の住居から連れ去られた。犯人たちは覆面もしておらず、きれいにヒゲをそってスーツを着ていた。誘拐されるのは圧倒的に男たちだが、今回は4人のうち3人が女性であり、犯行時のふるまいをみてもとてもムスリムとは思えない。またふつうは3~4人ぐらいが実行グループだが、今回は20人もの武装した男たちが真昼間に堂々と押し込んでいる。グリーンゾーンのすぐ隣だというのに、イラク警察にも米軍にも妨げられたようすはない。犯人たちは消音銃やスタンガンなどを持っていたが、ムジャヒディーンの武器は古びたカラシニコフがふつうだ。おまけに彼らの中にはイラク国防軍の制服を着ているものも数人いた。

アラウィ政権は関与を否定しているが、内務省スポークスマンは犯人たちが軍の制服を着ていたことを認めている。これは警察の秘密活動なのか。サダム時代の政敵「失踪」という手法の再来だとすれば恐ろしいが、こうした組織的な作戦をやり遂げる能力があり、反戦NGOを攻撃して得をするのは誰だろう?

イタリアの新聞の報道によれば、イラクのスンニ派主要組織の宗教指導者シーク・アブドゥル・サラーム・クバイシは、トレッタとパリが誘拐される前日に自分を訪問し、「何者かに脅されている」と話したことを証言している。クバイシ師は今回の事件の背景にいるのは「外国のスパイ」だろうと語っている。

西側の記者たちは「陰謀説」のレッテルを恐れて、スパイについて語るのを嫌う。だがイラクではスパイや秘密活動は、日常の現実だ。CIAのジェイムズLパヴィット副長官は、バグダッドには500~600人の工作員が潜入し、いまやヴェトナム戦争以来の最大のCIAの活動拠点となっていると述べている。アラウィ首相自身も工作員出身だ。

「イラクへの橋」は占領体制への反対を公然と掲げていた。4月にファルージャが包囲されたときには危険な人道支援活動を組織した。8月のナジャフ攻撃の際にも現場に入り、占領軍が排除したがる証人となった。拉致の前日にも、トレッタとパリは再びファルージャに入るという計画をクバイシ師に告げている

誘拐から8日たったが、彼らの解放を求める声が宗教や文化をこえて世界各国から上がっている。イスラム・ジハードやヒズボラ、イラクの抵抗運動グループなどはみな今回の誘拐を非難している。こういう中で、沈黙をまもっていることで逆に目立っているのは、アメリカ政府とアラウィ首相官邸だ。

******************************
☆『ファルージャ2004年4月』を翻訳なさったいけだよしこさんのblogに、この記事の全訳が載っていました。その他の記事も参考になりますので、ぜひご一覧を 

September 14, 2004

イラン・パペ: Israel must be treated as South Africa was

シャロン首相のガザ撤退方針に反対してエルサレムでは数万人のデモ、ライバルのネタニヤフ元首相は国民投票を要求するし、右派からは内乱をほのめかす言葉も飛び交う状況。一方的な「縁切り」政策をめぐってイスラエルの世論はまっぷたつに割れているかのように見えます。ほんとのところは、どうなんだろう?

二年まえ、イスラエルの大学でも強まる言論弾圧を反映してハイファ大学を追放されそうになったイラン・パペが最近の情勢について語っています。以下Green Left Weekly誌のNick Everettによるインタビュー(9月1日号掲載)の要約です。おしまいの方でパレスチナ人の拘置所でのハンストに触れて、これを非暴力戦略の第一歩として高く評価しつつ、これがイスラエルに対するプレッシャーとして有効に機能するためには、イスラエルにも他国と同じ民主的スタンダードを要求するような国際社会のムードをつくる必要があると訴えています。いや、ごもっとも。「自爆テロ」を非難するというのであれば、この非暴力抵抗運動を支援しなければならないはずですよねえ。


        *

現行のシャロン内閣は決して「逸脱」ではなく、イスラエルが一貫してとってきた政策を集大成したものだ。おまけに最近ではシャロンも知恵をつけ、「撤退」とか「パレスチナ国家」とか「和平」とかという言葉を使えば、どうせおんなじことをするにしてもずっとやりやすくなるということを学んだ《労働党からでしょうね》。これがシャロンの撤退プランであり、彼が望んでいるのはガザを放棄して西岸の半分を手に入れること。これで労働党の大半はシャロン支持に動き、イスラエルの和平推進派も「撤退」「パレスチナ国家」「和平」という文句にころっとまいってシャロン支持のデモに参加する。

イスラエルの中でコンセンサスとなっている「決着」は、パレスチナ人を歴史的なパレスチナの10~15%ほどの地域に押し込めてしまおうというものだ。これを国際的に承認させるためにはアメリカにブッシュ政権が成立している今こそが、千載一遇のチャンスであると、イスラエルの現政権は考えている。おまけに人口構成が急速に変化してユダヤ系がマイノリティになりつつあるというプレッシャーもある。パレスチナ人をよそへ「移送」するという考えは、もはやタブーではなくなった。イスラエル政府は最終合意にむけてパレスチナ人と交渉するつもりなどなく、一方的に自分たちの線引きで領土分割を行なうだけなのだ。

パレスチナ人の側は、現在は二つの課題を抱えている。一つはパレスチナの社会、政治、経済インフラが完全に崩壊したため、NGOや市民社会の手で社会を再建する必要があるということだ。占領下にもかかわらず、これは達成されつつある。第二は、難民たちの共同体も意思決定に参加できるように民主的な制度をつくりあげること。

ISMのような国際支援運動は、現状を国外の人々に気づかせる上では重要な役割を果たしているが、彼らに占領を止めることはできないし、イスラエルの世論に大きな影響を与えることもできない。もっと強力な政治的圧力が必要だ。イスラエルの平和運動に内側から流れを変える力があればよいのだが、あまり期待できない。一方パレスチナ人は非常に大きな危険にさらされている。このため、外部からイスラエルに圧力をかけることが必要だ。国際的な支援運動には、二つの課題があると思う。

短期的には、パレスチナのパレスチナ人を救うという緊急の必要。イスラエル政府は和平に向けた対話という見せかけにかくれて破壊と追放を企てている。この政策を続ける限りイスラエルは国際社会でのけ者になるという雰囲気をつくらなければならない。制裁措置やボイコットについて語るべきだ。

長期的には、問題全体を捉えなおすことが必要。二国家解決案に賛成だろうが反対だろうが、ここ数ヶ月のうちに現場の状況が二国家解決案を不可能なものにするだろうと思う。パレスチナ難民の帰還権について、象徴的なレベルでも現実的なレベルでも取り組む必要がある。難民を除外してパレスチナ問題の解決はありえないし、イスラエル国内のパレスチナ人も除外できない。

イスラエルに拘留されたパレスチナ人たちのハンストは、非常に重要なでき事だ。なによりも、これがパレスチナ側の非暴力戦略であることに注目すべきだ。心配なのはイスラエル側の冷ややかな対応だ。他の西側の国家にはとても許されないような政策をやりおおせているのだから。パレスチナ人の非暴力戦略が有効となるためには、イスラエルをアパルトヘイト時代の南アと同じように扱うという国際社会の雰囲気をつくりあげる必要がある。

September 08, 2004

国際シンポジウム:監視社会と自由

デイヴィッド・ライアン『9.11以後の監視』日本語訳刊行記念
 国際シンポジウム「〈監視社会〉と〈自由〉」
日時:2004年9月18日(土)13:00~17:00
会場:上智大学6号館210教室
主催:国際シンポジウム「〈監視社会〉と〈自由〉」実行委員会
協賛:(株)明石書店  後援:毎日新聞社

■シンポジウム趣旨
2001年9月11日の米同時多発テロ以降、「テロとの戦い」「セキュリティ確保」という名目の下に、世界規模で、デジタル情報技術も駆使した市民監視の強化が図られている。
例えば、アメリカでは、全米100以上の空港で、外国人入国者に対し、電子的な指紋採取と顔写真撮影が義務付けられ、日本でも米国の求めに応じて、外務省が05年度を目標に、所持者の身体的特徴(生体識別情報=バイオメトリックス)を記録したICチップ付きの新型旅券を導入する方針を固めたと報じられている。また、すでに街頭監視カメラは見慣れた風景の一つとなっているだけではなく、一般市民が携帯電話カメラで撮影した写真までが、警察の証拠として採用され始めている。
2002年にスタートした住基ネットは、全国民の基本情報をコンピュータで一元的に管理する巨大なデータベースを意味し、国内版パスポートに転化する危険も秘めた住基カードともども、国民監視の基盤的制度を形作るものである。このような日本の「監視社会化」は、自衛隊のイラク派遣、有事法制の整備、憲法改正など日本の「軍事化」の進展や、個人情報保護法に代表されるような表現・メディア規制の一連の動きとも深く関わっている。
監視社会研究の世界的権威であるデイヴィッド・ライアン教授の新著『9.11以後の監視』の日本語訳の刊行を記念して開かれる本シンポジウムでは、ライアン教授をお招きし、その基調講演を受けて、先に見たような現実も見据えつつ、「配慮(ケア)」と「統制」という両義性をもつ「監視」のあり方をめぐり、その思想的・歴史的な位置づけ、テクノロジー・工学的進展との関連、人間の尊厳や市民的自由との兼ね合いなどを、この分野での第一線の研究者の参加を得て、哲学思想、法学、社会学、工学などの観点から学際的、総合的に検討する。

■登壇者
○基調講演
デイヴィッド・ライアン
(カナダ・クイーンズ大学社会学部教授、同大学国際プロジェクトSurveillance Projectディレクター)
講演「『9.11以後の監視』とそれ以後 ("Surveillance after September 11"and After)」

○パネリスト(五十音順、テーマ予定)
江下雅之(目白大学助教授) 監視とテクノロジー
小倉利丸(富山大学教授) 戦時監視社会における電子政府とIT産業
渋谷 望(千葉大学助教授) 監視による公共圏/公共圏による監視
田島泰彦(上智大学教授) 「監視社会」と市民的自由 【コーディネーター】

■お問い合わせ
国際シンポジウム「監視社会と自由」実行委員会(上智大学・田島研究室) TEL. &FAX. 03(3238)3628
明石書店 編集部 TEL.03(5818)1177 FAX. 03(5818)1179

■登壇者略歴
デイヴィッド・ライアン(David Lyon)カナダ・クイーンズ大学社会学部教授
近代社会の成立を「監視」という視点から社会学的に捉え直し、近年のテクノロジーの発展がそうした監視社会の動向にどのような影響を与えているのかを鋭く分析。とりわけ本書『9.11以後の監視』(田島泰彦監修、清水知子訳、明石書店、2004年)では、2001年9月11日の米同時多発テロ以降、「セキュリティ確保」の名の下にデジタル技術を駆使した監視強化が図られる世界的な動向を、社会学的な視座から批判的に問い直している。ほかの邦訳書に、『監視社会』(河村一郎訳、青土社、2002年)、『ポストモダニティ』(合庭惇訳、せりか書房、1996年)

江下雅之(えした・まさゆき)目白大学人文学部助教授
東京大学理学部数学科卒業後、三菱総合研究所入社。92年に渡仏し、College des Masteres de l'ESSEC、パリ第大学大学院、パリ第大学大学院などでコミュニケーション論、メディア史を研究。01年から現職。01年3月、第16回テレコム社会科学賞受賞。著書に『監視カメラ』(講談社+α新書、2004年)、『ネットワーク社会の深層構造』(中公新書、2001年)など。

小倉利丸(おぐら・としまる)富山大学経済学部教授
現代資本主義専攻。ネットワーク反監視プロジェクト(NaST)を主宰するほか、インターネット市民活動団体、JCA-NET、および市民コンピュータコミュニケーション研究会(JCAFE)の理事、ピープルズ・プラン研究所の共同代表を務める。を務める。編著書に『世界のプライバシー権運動と監視社会』(明石書店、2003年)、『路上に自由を――監視カメラ徹底批判』(インパクト出版会、2003年)、『監視社会とプライバシー』(インパクト出版会、2001年)、『エシュロン』(七つ森書館、2002年)、訳書にA・ネグリ『マルクスを超えるマルクス』(共訳、作品社、2003年)、同『転覆の政治学』(現代企画室、1999年)など。ライアン主宰のSurveillance Projectのメンバー。

渋谷 望(しぶや・のぞむ)千葉大学文学部助教授
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院文学研究科社会学専攻満期退学。00年から現職。専攻は社会学。著書に『魂の労働――ネオリベラリズムの権力論』(青土社、2003年)、『親密圏のポリティクス』(共著、ナカニシヤ出版、2003年)、『エイジングと公共性』(共著、コロナ社、2002年)、『音の力――ストリートを取り戻せ』(共著、インパクト出版会、2002年)など。

田島泰彦(たじま・やすひこ)上智大学文学部新聞学科教授
上智大学法学部卒、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。憲法・メディア法専攻。神奈川大学短期大学部教授などを経て99年から現職。毎日新聞「開かれた新聞」委員会委員、川崎市公文書公開審議会委員なども兼務。住基ネット差し止め訴訟を支援する会、監視社会を拒否する会の共同代表も務める。著書に『人権か表現の自由か』(日本評論社、2001年)、『この国に言論の自由はあるのか』(岩波書店、2004年)、『住基ネットと監視社会』(共編著、日本評論社、2003年)、『解説&批判・個人情報保護法』(共編著、明石書店、2003年)、『個人情報保護法と人権』(編著、明石書店、2002年)、訳書にデイヴィッド・ライアン『9.11以後の監視』(監修、明石書店、2004年)、『表現の自由と検閲を知るための事典』(監修、明石書店、2004年)など。ライアン主宰のSurveillance Projectのメンバー。

September 04, 2004

オルガ文書 (The Olga Document)

イスラエルの学者や活動家のグループが2004年7月26日、ユダヤ系イスラエル人に向けて次のような声明を発表しました。 → ei: The Olga Document

「真実と和解のために、平等と協力関係のために」と題されたこの文書は、パレスチナでの民族共生をめざしてイスラエルのユダヤ系市民のあいだの政治的議論を変えていこうというものです。真の和解のためには建国にまつわる歴史的事実の認識と現行制度の抜本的な見直しが必要であるという問題提起を通して、「議論」を喚起することを狙っています。

賛同者には、「民族共生国家への挑戦」を書いたワルシャウスキー、元東エルサレム市助役のメロン・ベンベニスティ、ヘブライ大学教授でポスト・シオニズムの端を開いた一人バルーフ・キンマリングなどの名前が見えます。少数とはいえ、世論に影響力のある人たちが含まれているようです。

文面を見る限りはとても説得力のある内容ですが、はたしてイスラエル世論の流れを変えることができるのでしょうか。

パレスチナ人たちは、これをどう受け止めるのでしょうか? 

行方が注目されますここから形成される議論がジュネーブ合意に対する対抗軸となっていくことができるのでしょうか?

☆ 追記:ナブルス通信で全訳が掲載されました →http://www.onweb.to/palestine/siryo/olga-jun04.html

パレスチナ人クリスチャンと平和 ー交流集会

                              2004年8月30日
「パレスチナ交流集会」のご案内
主催団体
サラーム・パレスチナ   代表 神崎雄二(日本聖公会東京教区司祭)
アハリ・ アラブ病院を支える会 代表 村山盛忠(日本基督教団牧師)
藤田進(東京外国語大学教授)      
パレスチナ子どものキャンペーン   田中好子(事務局長)
日本キリスト教協議会国際関係委員会 真野玄範(NCC幹事)  

 パレスチナの状況に心を痛め、連帯の活動を地道に継続してこられた皆様に、「パレスチナ交流集会」のご案内を申し上げます。
今秋9月18日より24日まで、日本聖公会東京教区の招きにより、聖公会エルサレム教区からリア・アブ・エル=アサール主教を含む8名の方が来日される事が決まりました。この機会を捉え、パレスチナ交流集会を開く事を企画いたしました。
アラブ世界はおしなべてイスラム世界と考えられがちですが、パレスチナは2000年のキリスト教会の歴史があります。カトリック・プロテスタントにかかわらず、歴史的に地道な働きを継続してきたのです。そうしたキリスト者パレスチナ人の視点に立って、今日のパレスチナの現状を報告していただきます。国際的にも独自のネットワークを持つ彼等の話から、私達の連帯行動にとっても学ぶべきものがある、と信じます。
 更にこの集会のもう一つのねらいは、こうした出会いを共にすることにより、日本におけるパレスチナ問題関係者の相互の交わりが促進され、顔と顔の見える関係が深められることです。皆様のご参加をこころよりお待ちしております。

来日を予定されている一行は以下のとおりです。
1. The Rt. Rev. Riah Abu El Assal( 聖公会エルサレム教区主教)
2. Ms. Rania Abu El Assal (ナザレ教区事務所付き主事)
3. The Rev. Samuel Barhoum (ナザレおよびレイネーの教会牧師)
4. The Rev. Canon Shehadeh Shehadeh (ハイファの教会牧師)
5. Mrs. Shafeeqa Dawani (ラマッラの教会信徒 )
6. Ms. Nadera Musallam (ガリラヤ地区青年信徒代表)
7. Mr. Nabil Ibrahim (ガリラヤ地区弁護士)
8. Rev. George Kopti (ヨルダン国籍 現在はベイルートの教会牧師)

パレスチナ交流集会の骨子
日時:2004年9月23日(木・休)秋分の日 午前10時 ~午後3時半
場所:聖アンデレ教会・ホール、港区芝公園3-6-18
http://www.nskk.org/tokyo/list.htm 
目的:①パレスチナの現地最新情報を聞く
   ②パレスチナ側にも日本のパレスチナ関係諸活動を知っていただき、今後の協力関係のあり方を共に考える。
   ③様々な活動団体の内容をお互いに知り、日本におけるパレスチナ関係
諸団体の交流を進める。
参加費:500円(当日集めます。)


☆ 活動グループ・団体の紹介を添付フォームにて、お送り下されば、簡易冊子印刷のものを、ご用意いたします。(〆切り 9月10日)
☆ アピール・ブースに、ブローシャ、掲示物など、ご用意下さる場合は、前もってご連絡下さい。(当日朝、テーブルに並べ、壁面に掲示。一団体につきテーブル1つ、模造紙1~2枚の掲示スペースがあります。)
☆ お弁当(500円)は、各団体でまとめて注文できます。 飲み物用意あり。
(近くにコンビニ・弁当屋あります。)(〆切り 9月17日)
   
 
スケジュール予定

10:00  最新状況報告(自己紹介と懇談)「パレスチナ人の生活」
       パレスチナ自治区--------シャフィカ・ダワニさん
       イスラエル領内-----------キャノン・シェハディー司祭
       ヨルダン・レバノン-------ジョージ・コプティ司祭
       エルサレム教区の働き---サムエル・バーホーム司祭 
11:30  昼食・交流会( ホールでの展示等を見ていただきながら、、、、)
  13:00  リア・アブ・エル=アサール主教の基調報告
      「問題の根、平和への希望」        通訳:植田仁太郎主教
  14:00  村山盛忠牧師から、コメント
  14:15  ティー・パーティー          
       この間、自由な語らいをしていただきながら、質問やご意見を紙に書いていただき、それを一括して、リア主教から応答していただきます。            通訳とまとめ:植田仁太郎主教
  15:30  終了 


連絡先:団体紹介送り先・アピール・ブース問合せ・弁当注文 
電話:03-3433-0987   FAX:03-3433-8678 
e-mail: mission-sec.tko@nskk.org
    日本聖公会東京教区事務所   宣教主事 宮脇博子
早尾貴紀

September 01, 2004

共謀法

ロイの記事を訳しているときに、東京新聞のこんな記事が目につきました。


一方アメリカでは、共和党大会のかげで反ブッシュのデモが弾圧されています。8月31日に千人近くの人々が逮捕され、5日間の合計で1500人以上の逮捕者がでているようです。

ロイの言っていることはちっとも過激なわけではなく、ほんとに現実がこうなんだと思う。