September 08, 2004

国際シンポジウム:監視社会と自由

デイヴィッド・ライアン『9.11以後の監視』日本語訳刊行記念
 国際シンポジウム「〈監視社会〉と〈自由〉」
日時:2004年9月18日(土)13:00~17:00
会場:上智大学6号館210教室
主催:国際シンポジウム「〈監視社会〉と〈自由〉」実行委員会
協賛:(株)明石書店  後援:毎日新聞社

■シンポジウム趣旨
2001年9月11日の米同時多発テロ以降、「テロとの戦い」「セキュリティ確保」という名目の下に、世界規模で、デジタル情報技術も駆使した市民監視の強化が図られている。
例えば、アメリカでは、全米100以上の空港で、外国人入国者に対し、電子的な指紋採取と顔写真撮影が義務付けられ、日本でも米国の求めに応じて、外務省が05年度を目標に、所持者の身体的特徴(生体識別情報=バイオメトリックス)を記録したICチップ付きの新型旅券を導入する方針を固めたと報じられている。また、すでに街頭監視カメラは見慣れた風景の一つとなっているだけではなく、一般市民が携帯電話カメラで撮影した写真までが、警察の証拠として採用され始めている。
2002年にスタートした住基ネットは、全国民の基本情報をコンピュータで一元的に管理する巨大なデータベースを意味し、国内版パスポートに転化する危険も秘めた住基カードともども、国民監視の基盤的制度を形作るものである。このような日本の「監視社会化」は、自衛隊のイラク派遣、有事法制の整備、憲法改正など日本の「軍事化」の進展や、個人情報保護法に代表されるような表現・メディア規制の一連の動きとも深く関わっている。
監視社会研究の世界的権威であるデイヴィッド・ライアン教授の新著『9.11以後の監視』の日本語訳の刊行を記念して開かれる本シンポジウムでは、ライアン教授をお招きし、その基調講演を受けて、先に見たような現実も見据えつつ、「配慮(ケア)」と「統制」という両義性をもつ「監視」のあり方をめぐり、その思想的・歴史的な位置づけ、テクノロジー・工学的進展との関連、人間の尊厳や市民的自由との兼ね合いなどを、この分野での第一線の研究者の参加を得て、哲学思想、法学、社会学、工学などの観点から学際的、総合的に検討する。

■登壇者
○基調講演
デイヴィッド・ライアン
(カナダ・クイーンズ大学社会学部教授、同大学国際プロジェクトSurveillance Projectディレクター)
講演「『9.11以後の監視』とそれ以後 ("Surveillance after September 11"and After)」

○パネリスト(五十音順、テーマ予定)
江下雅之(目白大学助教授) 監視とテクノロジー
小倉利丸(富山大学教授) 戦時監視社会における電子政府とIT産業
渋谷 望(千葉大学助教授) 監視による公共圏/公共圏による監視
田島泰彦(上智大学教授) 「監視社会」と市民的自由 【コーディネーター】

■お問い合わせ
国際シンポジウム「監視社会と自由」実行委員会(上智大学・田島研究室) TEL. &FAX. 03(3238)3628
明石書店 編集部 TEL.03(5818)1177 FAX. 03(5818)1179

■登壇者略歴
デイヴィッド・ライアン(David Lyon)カナダ・クイーンズ大学社会学部教授
近代社会の成立を「監視」という視点から社会学的に捉え直し、近年のテクノロジーの発展がそうした監視社会の動向にどのような影響を与えているのかを鋭く分析。とりわけ本書『9.11以後の監視』(田島泰彦監修、清水知子訳、明石書店、2004年)では、2001年9月11日の米同時多発テロ以降、「セキュリティ確保」の名の下にデジタル技術を駆使した監視強化が図られる世界的な動向を、社会学的な視座から批判的に問い直している。ほかの邦訳書に、『監視社会』(河村一郎訳、青土社、2002年)、『ポストモダニティ』(合庭惇訳、せりか書房、1996年)

江下雅之(えした・まさゆき)目白大学人文学部助教授
東京大学理学部数学科卒業後、三菱総合研究所入社。92年に渡仏し、College des Masteres de l'ESSEC、パリ第大学大学院、パリ第大学大学院などでコミュニケーション論、メディア史を研究。01年から現職。01年3月、第16回テレコム社会科学賞受賞。著書に『監視カメラ』(講談社+α新書、2004年)、『ネットワーク社会の深層構造』(中公新書、2001年)など。

小倉利丸(おぐら・としまる)富山大学経済学部教授
現代資本主義専攻。ネットワーク反監視プロジェクト(NaST)を主宰するほか、インターネット市民活動団体、JCA-NET、および市民コンピュータコミュニケーション研究会(JCAFE)の理事、ピープルズ・プラン研究所の共同代表を務める。を務める。編著書に『世界のプライバシー権運動と監視社会』(明石書店、2003年)、『路上に自由を――監視カメラ徹底批判』(インパクト出版会、2003年)、『監視社会とプライバシー』(インパクト出版会、2001年)、『エシュロン』(七つ森書館、2002年)、訳書にA・ネグリ『マルクスを超えるマルクス』(共訳、作品社、2003年)、同『転覆の政治学』(現代企画室、1999年)など。ライアン主宰のSurveillance Projectのメンバー。

渋谷 望(しぶや・のぞむ)千葉大学文学部助教授
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院文学研究科社会学専攻満期退学。00年から現職。専攻は社会学。著書に『魂の労働――ネオリベラリズムの権力論』(青土社、2003年)、『親密圏のポリティクス』(共著、ナカニシヤ出版、2003年)、『エイジングと公共性』(共著、コロナ社、2002年)、『音の力――ストリートを取り戻せ』(共著、インパクト出版会、2002年)など。

田島泰彦(たじま・やすひこ)上智大学文学部新聞学科教授
上智大学法学部卒、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。憲法・メディア法専攻。神奈川大学短期大学部教授などを経て99年から現職。毎日新聞「開かれた新聞」委員会委員、川崎市公文書公開審議会委員なども兼務。住基ネット差し止め訴訟を支援する会、監視社会を拒否する会の共同代表も務める。著書に『人権か表現の自由か』(日本評論社、2001年)、『この国に言論の自由はあるのか』(岩波書店、2004年)、『住基ネットと監視社会』(共編著、日本評論社、2003年)、『解説&批判・個人情報保護法』(共編著、明石書店、2003年)、『個人情報保護法と人権』(編著、明石書店、2002年)、訳書にデイヴィッド・ライアン『9.11以後の監視』(監修、明石書店、2004年)、『表現の自由と検閲を知るための事典』(監修、明石書店、2004年)など。ライアン主宰のSurveillance Projectのメンバー。

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