September 17, 2004

シモーナ・トレッタをさらったのは誰?

パレスチナに行くつもりなので、誘拐事件は気になるので・・・・

バグダードで誘拐された二人のイタリア人は、湾岸戦争後もイラクに残って支援活動をつづけた数少ない人道支援団体「イラクへの橋」のメンバーですが、彼女たちが二人の現地人メンバーと共に彼らのオフィスから拉致されたときの状況は、他の人質事件とは多くの点できわめて異なっています。いろいろな材料を挙げて、事件の背後にいるのはイスラム系の抵抗組織ではなく元CIAのアラウィ首相の暫定政権と外国の諜報機関ではないかという説を、ナオミ・クラインとジェレミー・スケイヘルが伝えています。彼女たちが誘拐される前日に会ったというクバイシ師は、高遠さんたち日本人の人質事件のときに窓口となって解放に大きく貢献してくれた人ですが、その彼が今回の事件の背後にいるのは「外国のスパイ」と述べているのには信憑性を感じます。日本人人質解放の顛末を振り返れば、今後の事件の展開がどのように「説明」され、利用されるのかも気になります。

原文はここ→ ZNet | Iraq | Who Seized Simona Torretta?

概要

シモーナ・トレッタは1996年にイラクの経済封鎖に反対するNGO「イラクへの橋」と出会って以来、イラクでの人道支援活動を続けてきた。レジスタンスによる外国人誘拐が頻発し、ほとんどの外国人記者や労働者が退去した後もバグダードで支援活動を続けていた。9月8日、トレッタは同僚のイタリア人シモーナ・パリ、イラク人Raad Ali Abdul AzzizとMahnouz Bassamと共に彼らの住居兼事務所から拉致された。犯人からの声明はない。戦争支持者たちはこれを平和活動家の無邪気さをなじる材料にしているが、イスラム指導者たちの間からは、この事件はムジャヒディーンによるものではなく、抵抗運動の信用を損なおうとする外国の諜報機関による陰謀だという声が次第に強まっている。

拉致の手口は従来のパターンとまったく異なっている。ふつうは路上で襲われるものだが、彼女たちは自分の住居から連れ去られた。犯人たちは覆面もしておらず、きれいにヒゲをそってスーツを着ていた。誘拐されるのは圧倒的に男たちだが、今回は4人のうち3人が女性であり、犯行時のふるまいをみてもとてもムスリムとは思えない。またふつうは3~4人ぐらいが実行グループだが、今回は20人もの武装した男たちが真昼間に堂々と押し込んでいる。グリーンゾーンのすぐ隣だというのに、イラク警察にも米軍にも妨げられたようすはない。犯人たちは消音銃やスタンガンなどを持っていたが、ムジャヒディーンの武器は古びたカラシニコフがふつうだ。おまけに彼らの中にはイラク国防軍の制服を着ているものも数人いた。

アラウィ政権は関与を否定しているが、内務省スポークスマンは犯人たちが軍の制服を着ていたことを認めている。これは警察の秘密活動なのか。サダム時代の政敵「失踪」という手法の再来だとすれば恐ろしいが、こうした組織的な作戦をやり遂げる能力があり、反戦NGOを攻撃して得をするのは誰だろう?

イタリアの新聞の報道によれば、イラクのスンニ派主要組織の宗教指導者シーク・アブドゥル・サラーム・クバイシは、トレッタとパリが誘拐される前日に自分を訪問し、「何者かに脅されている」と話したことを証言している。クバイシ師は今回の事件の背景にいるのは「外国のスパイ」だろうと語っている。

西側の記者たちは「陰謀説」のレッテルを恐れて、スパイについて語るのを嫌う。だがイラクではスパイや秘密活動は、日常の現実だ。CIAのジェイムズLパヴィット副長官は、バグダッドには500~600人の工作員が潜入し、いまやヴェトナム戦争以来の最大のCIAの活動拠点となっていると述べている。アラウィ首相自身も工作員出身だ。

「イラクへの橋」は占領体制への反対を公然と掲げていた。4月にファルージャが包囲されたときには危険な人道支援活動を組織した。8月のナジャフ攻撃の際にも現場に入り、占領軍が排除したがる証人となった。拉致の前日にも、トレッタとパリは再びファルージャに入るという計画をクバイシ師に告げている

誘拐から8日たったが、彼らの解放を求める声が宗教や文化をこえて世界各国から上がっている。イスラム・ジハードやヒズボラ、イラクの抵抗運動グループなどはみな今回の誘拐を非難している。こういう中で、沈黙をまもっていることで逆に目立っているのは、アメリカ政府とアラウィ首相官邸だ。

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☆『ファルージャ2004年4月』を翻訳なさったいけだよしこさんのblogに、この記事の全訳が載っていました。その他の記事も参考になりますので、ぜひご一覧を 

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