March 15, 2006

パレスチナ・カフェへのご案内

コリン・コバヤシさんからパレスチナ・カフェへの参加のよびかけメールがまわってきました。
5月半ばから一ヶ月間、いつもどこかでパレスチナについて語る催しがなされている状態をつくろうという企画です。今年はフランスだけでなく世界中でやりましょうという呼びかけ。 というと話が大きく聞こえますが、基本はパレスチナについて語れる場をできる範囲で作っていく小さな努力の集積だと理解しています。わたしも身の回りの人たちと相談してなにかできないか考えているところです。

以下は、コリンさんからのアピール

パレスチナに心をよせる皆さん
コリン・コバヤシ@グローバル・ウォッチ/パリです。 パリからアピールいたします。

 昨年、2005年6月、フランスはパリと首都圏の郊外都市で、一ヶ月間、パレスチナ・カフェ『ようこそパレスチナ』を行いました。30日間、毎晩異なったカフェ(喫茶店)で、パレスチナにまつわる様々な文化的催しを行いました。

 私は、18区のカフェで、広河隆一さんのパレスチナの写真展と雑誌『DaysJapan』の紹介、日本の パレスチナ支援運動の状況、また私のヴィデオ作品の上映を行いました。その夕べは、パレスチナ音楽から始まり、最後はパレスチナ料理のサーヴィスまであり、カフェの常連含め、50人ほどの方々が真夜中の2時頃まで楽しく語りあいました。 他の会場では、ダルウィッシュの詩やジュネ、サィードの文章の朗読があったり、自作の詩を披露する詩人や作家もいました。また真剣にパレスチナの状況を語り合ったり、ロニー・ブローマン(前「国境のない医師団」会長)、ミッシェル・ワルシャウスキー(エルサレムのオルタナティヴ情報センター主宰者)、ドミニック・ヴィダル、ドニ・シフェール(ジャーナリスト)、エリアス・サンバール(パリ在住のパレスチナ歴史家)など著名な専門家達と討論をかわす夕べもあり、その他、コンサート、ラップ、演劇など盛りだくさんで、大成功のうちに終りました。

 そのため、パレスチナの状況改善が見られない今、この試みを全世界の都市に呼びかけようと、パリの<マルハバ・パレスティン>(『マルハバ』はアラビア語で「ようこそ」の意)連絡委員会は世界に向けてこの企画のアピールを開始しました。  この委員会はドキュメンタリー映画監督でCCIPPP(「パレスチナ民衆保護のための国際市民派遣団キャンペーン」。ISMと類似のフランスのNPO)のコーディネーター、サミール・アブダラをコーディネーターとして、10回ほどの会合を重ねています。私もこの委員会に加わっています。

 この委員会には、今までの117回に及ぶ市民派遣団に参加した様々な個人が多く参加していますし、他の支援組織の方やフランス在住のパレスチナ人も参加している緩やかな集団です。ウェブ・サイト:http://marhabapalestine.free.fr/(仏・英・スペイン語)を立ち上げています。  むろん、フランスには伝統的なカフェ文化があり、オープン・カフェが多く、近年フランスで流行の文学カフェ、哲学カフェもそれらに裏打ちされたものです。また多様なNPOの会合も、しばしばカフェが利用されます。フランスにおいては、パレスチナ支援者は、アラブ系住民が多いため、数も多く、当然大きな動員も可能となります。受け入れカフェを見つける苦労もたいしたものではありません。

 しかし、日本においても、大動員は不可能でも、パレスチナに思いを馳せることは不可能なことでないと思います。60年代には東京でも、風月堂、どん底、らんぶるといった様々な個性的なカフェが多くの若者達を引きつけ、討論の場として利用されました。最近は、また個性的な場も増えつつあります。萎縮している日本の公共空間を広げ、より多くの方々がパレスチナ問題を普遍的な観点から考えるためにも、また文化の収奪の問題としてみるためにも、文化的観点から行うこの試みはたいへん有効だと感じられます。

 今日、パレスチナの状況が以前にも増してたいへん苛酷であるのは、皆さんご存知のごとくです。ハーグ国際裁判所の勧告にもかかわらず、西岸の壁建設は継続され、土地は分断されて領土的観点から独立国家になり得ない現実を浮き彫りにしています。西岸の植民地化はパレスチナ人との交渉なしに、イスラエルによって一方的に進められ、また占領地からの一方的撤退後のガザの完全封鎖は、ガザ住民を違法な占領状態からの解放ではなく陸の孤島のような幽閉状態に陥れています。また四散して難民化したパレスチナ人たちは帰還権も得ぬまま貧困と抑圧状態の下で放置されています。このような意味で、まさにパレスチナ問題は今日の世界平和の中心に位置しているといえるのではないでしょうか。 
                                                  
しかし、現地では、この不法な占領下でも、毎日の暮らしを何とか生きているパレスチナの人々がいます。オリーヴ畑を手入れに行く農民の日々の暮らしがあります。子供を学校に送り、イスラエル軍や植民者から身を守り、野菜の栽培や、オリーヴの生産のために、無数のチェック・ポイントを迂回し、あるいは何時間も待ち、数十キロを歩いて通う農民、市民や家族を支える女性たち、苦難にもかかわらず笑顔を持ち続ける子供たちがいます。命を尊いと思う気持ちは人類共通の最も基本的な感情です。大切なのは、戦争以前に、そこに人々の暮らしの営みが営々と続いているという事実を知ることです。そしてその営みが不断に抑圧され、分断されているという耐え難い事実を知ること。パレスチナを見る切り口は様々ありますが、そのようなパレスチナ民衆の暮らしや生活を尊重し、そこに思いを馳せること、そこから根本的な理解や連帯が始まるのではないでしょうか。そして連帯の証しとして、世界が彼らを見捨てていないことを示すささやかな試みが、私たち自身がパレスチナの人々の生活や文化を理解し、彼らを歓待する試みが、パレスチナ・カフェ「ようこそパレスチナ」を仲介の場として、試みられるのです。

 日本の各地でのささやかな私たちの連帯行動が、パレスチナと世界の民衆をつなぎ、そこに希望の灯をともすことになるのを夢見て、皆さんが何らかの形で「ようこそパレスチナ」を各地で各人の可能なやり方で参加してくださることを呼びかけたいと思います。気負わず、個々人が表現者として連帯すること、そしてその小さな波がだんだん大きくなることを期待します。

 参加を希望される団体、個人の方々は、日本でも有志によって始められた『マルハバ-パレスチナ連絡会議』にご連絡いただき、MLにご参加いただきたいと思います。

連絡先:marhaba-p@freeml.com 討論用のMLを立ち上げます。これが企画実現のための様々な意見交換と情報共有の場になります。
パリの「マルハバ・パレスティン」連絡委員会のアピール文を添付します。

このイニシアティヴに賛同してくださる方々は以下の通りです。(あいうえお順)
板垣雄三(東大名誉教授) 鵜飼哲(一橋大教員) ナジーブ・エルカシュ Najib El-Khash (ジャーナリスト) 大榎淳(ヴィデオ・アーティスト、東京経済大教員) 岡真理(京大教員) 北林岳彦(パレスチナ子どものキャンペーン理事) 櫛淵万里(ピースボート共同代表) 熊岡路矢(JVC代表理事) 徐京植(作家、東京経済大教員) 杉村昌昭(龍谷大教員) 仲里効(沖縄『エッジ』編集長) なだいなだ(精神科医・作家) 針生一郎(美術評論家) 平野千果子(武蔵大教員) 広河隆一(フォトジャーナリスト) 藤田和芳(大地を守る会会長) 古居みずえ(ジャーナリスト) 増田一夫(東大教員) 森沢典子(『パレスチナがみたい』著者) 吉川勇一(市民の意見30の会・東京)

皆さんの主体的、創造的参加を心から願って。
コリン・コバヤシ
PS:この呼びかけは,転載可です。

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